宗和流の茶会に行ってきました

ひょんなことから宗和流の茶会に行く機会がありました。
場所はトーハクの茶苑。
六窓庵が濃茶席、転合庵が薄茶席。
点心は三友居で美味しかったっす。
煮物椀がついているとやっぱ豪華に感じます。

宗和流というのは言わずとしれた金森宗和が流祖の流派です。
野々村仁清との関係でお茶の世界ではよく出てくる名前ですね。
こちらの流派の茶会には初めて伺いましたが、席主の方のお話も、お道具も素晴らしく大変良かったです。

六窓庵は宗和好の茶室だそうです。
奈良にあった茶室を移築したらしいのですが、茶室の運搬の途中で暴風雨に遭い船が転覆、部材は運良く岸に流れ着いた(ホントか?!)というものらしいです。
名前の通り窓が六つありまして、中柱が太いのが印象的でした。

濃茶席の掛物は宗和の消息。
茶入は仁清の茶入。とても華奢な感じで、耳が面白いです。牙蓋が取りづらいとお客様が仰っていましたが、私は触っておりませんのでよくわかりませんでした。
茶碗は大徳寺呉器。良い茶碗でした。大きさや景色、状態など素晴らしく、箱も良い箱に入っているなぁと思いました。古い箱を見せてくれるのはとても嬉しいです。
次の茶碗は伊羅保でこちらもホントに良い茶碗(そりゃそうだよと言われそうですが)。ベベラもしっかりとあって、風格のある茶碗でした。
建水は南蛮の〆切。じっくり見てみたかったです。

古い道具を席で使っていただけて、それで飲ませて頂けるということは本当に貴重な経験であります。
大徳寺呉器っていったら400年も前の茶碗ですからね。それを使ってお客さんに出してくれるってのはありがたいことです。
古い茶碗ってのはどうしても脆くなりやすいですし、大寄せの茶会ってのはどんな人が来るのか分からないですので、リスクは高いですよね。
もちろん値段もかなり高額になります。
釜は道仁の釜だそうで、ほぇ~という感じ。見る機会ないですよね、道仁の釜なんて。珍しいもの見せていただきました。
私は古い道具で雰囲気ある物は好きなのでこういった席に入れた事はラッキーでした。

さて、薄茶席は遠州好の転合庵。
こちらは12代(だったと思う)の画賛でした。歌が書かれていて、この時期らしい内容で濃茶席とはガラッと変わった感じ。
主茶碗は御本刷毛目。歪みが印象的でした。
数茶碗としてガラスの茶碗が出てきまして、仁清の三玄院の天目写ということでした。こういった珍しい写物を出してくる所が面白いですね。
一見ガラスには全く見えないですが、持ったらなんとなくガラスだとわかりました。
薄茶席には現代の方の造った物も取り入れて目新しさがあります。
煙草盆は宗和好で、なかなか他でお目にかかれないような形の物。やっぱり色んな流派の茶会に行ってみるもんだなと思います。

これから毎年茶会をしていこうと考えていますと仰っていましたので、もしまた機会があれば伺いたいです。
ありがとうございました。