11月になり炉を開きました

早いものでもう11月。
今年も残り2か月になってしまいました。
なんか毎年こんなことを言っているような気がします。

さて、11月になるとお茶の世界では炉の時期になるのですが、炉というのはゆか下部分にあり、炭に火を熾して入れ、釜の湯を沸かすことができる物のことです。
全然イメージつかないかもしれないので
コチラです

ココに火が入っていると暖かそうですよね。
そうです、とても暖かいんです。
冬には欠かせないアイテムですね。
中では赤々と炭が熾っています。
韓国のオンドルみたいにしたら、もっと暖かいのではないかとか考えたりしますけど、、、

実物は茶房に来ていただければ見られます。
でも、中では炭の火が熾っているので中に落ちないように注意して下さい。
やけどします!

炉の時期の香は風炉の時期とは変わって、練香になります。
炭の粉に良い香りのするものを色々と練りこんだやつで、不思議な香りです。
街では聞くことのできないような香りです。
ちなみに香りは聞くという表現をしたりします。

自分で練香作ってみたいと思ってるんですが、なかなかそういう機会がありません。
お香屋さんで練香作りの勉強会みたいなのが開かれているので、興味のある方は行ってみると良いと思います。

炉になると炭も大きくなり、釜も大きいです。
胴径が8寸以上くらいになると炉に使う釜になります。
もちろん風炉でも使えますけど。
9寸以上になると、ものすごく大きい感じがして、あぁ炉の釜だなぁと思います。
与次郎の阿弥陀堂の大がそんな感じの大きさです。

炭が赤く熾り、釜の口からは湯気が出て、松風の聞こえる様子はお茶ならではの風情がありますね。

名残の季節ですね

お茶では10月は風炉の名残の季節で、侘びの月といわれます。
この時期は継ぎのある茶碗などを使うこともできるといいます。
10月も後半になると、火が恋しいということで中置の点前をすることがあります。
お稽古的には10月はせっかくなので中置のお点前を稽古しましょうということで、ウチの稽古場では中置の割合が高くなっています。

中置に似た点前で、風炉長板の一つ置きがありますが、教本に無いのであまり稽古することがありません。
中置に似ているというよりも、中置が似ているという方が正しいのだと思います。
長板一つ置きは10月に限らずいつでもやって良いのですが、乗せる風炉釜を選ぶため、実際にはなかなかすることがありません。

そんなことを思っていると、土浦の土屋家では風炉釜は何を所蔵していたのだろうかと思いまして、調べてみました。
最近、社中の方から譲ってもらった土屋家蔵帳の資料があるのでちょうど良いと思いまして。

結果、蔵帳の方には見つかりませんでしたが、会記の方には遠山芦屋 遠州所持などとあるのを見つけました。
あまり釜を積極的に集めようとは思っていなかったのか、あまり数が多くない感じがします。
それに比べて、茶入はものすごいことになっていますね。
是非これらを集めて展覧会してもらいたいものです。

秋の茶会をしました

ちょっと時間たっちゃいましたけど、先月の最後の日の9月30日に茶会をしました。
台風直撃の日で、どうなる事かと心配をしましたが茶会の間は少し雨が降る程度で助かりました。
大勢のお客様にお越しいただき、誠にありがとうございました。

今回あえてスタッフは最低限の人数でやりましたので、生徒さんたちの苦労は多かったかと思います。
ですが、少ない人数でやると非常に勉強になることが多いですので、経験値は大幅アップしたのではないかと勝手に思っております。
私自身も今回色々と勉強になりました。

茶会はもう何度もやって勝手がわかっている生徒さんも多くなってきて、水屋仕事のクオリティがだんだん高くなっているような気がするのはとてもうれしいです。
この経験を茶事の時の水屋仕事に生かしてもらえると良いと思ってます。

台所の手伝いをした方は、茶事の懐石のメインである椀物をかなり勉強できたのではないかなと思います。
自宅で丁寧に日本料理をつくる時にも非常に役に立ちますよね。
丁寧にとった出汁の香り、味は何とも言えないものがありますね。
体に染み込んで、ホッと安心するような味です。
うまみ成分を科学的に抽出した飛び道具的な味とは、やっぱり違うんだよなぁと思って不思議です。

日本料理の美味しさを実感することができるので、お茶をやっているとそういう面でお得な気がします。
きちんとした日本料理なんて食べに行くことなんてほとんど無いですしね。
ましてや自分で作ろうなんてなかなか思いません。
お茶ってすごいんだなぁと思います。

お茶会に来ていただいた沢山のお客様、ありがとうございました。
生徒の皆さん、お疲れさまでした。
次はさらに楽しくできると嬉しいです。