夜咄の茶事に行ってきました

夜咄を知人が年末に催すというので、あつかましくも「呼んで、呼んで、呼んで!」とお願いし、お邪魔させていただくことができました。
ご亭主、ご連客の皆様ありがとうございました。
おかげで貴重な体験をさせていただくことができました。

夜咄の茶事は風情があって良いよ~と話にはきいていましたので、初めての夜咄の茶事に、どんな感じなのだろうかととても楽しみでした。
最初に言ってしまうと、非常に楽しめました。

火の灯りってすごいなぁ~と改めて感じさせられました。

夜咄は夜にやるものでして、電気の灯りを使用しませんので非常に暗いです。
正直、色々なものがあまり見えません。
だんだんと目が暗さに慣れてきて、やっとこさ少し見えるくらい。
手燭の明るさでなんとか拝見をするという感じです。
よく言われますが、電気の照明に慣れている現代人にとってはもう無茶苦茶暗いのですが、火の明るさってのはなんだか良いものです。
ほんとに非日常の空間を味わうことができます。
待合のしつらえとか、露地の風情とか、本当に感動的な雰囲気です。


かなりリラックスムードの茶事でしたので、写真を撮ったりもさせてもらいました。
ご亭主が酔っ払ってしまったので、薄茶は代わりに点てたりとか(笑)、色々イレギュラーなことがありましたが、こういうのも茶事の醍醐味ですね。お稽古にはない展開です(笑)。

火を使いますので、かなり慎重に動かなければいけなかったりとか、和蝋燭の扱いとか色々と難しいこともありますが、機会がありましたら自分でもやってみたいなと思いました。
でも、灯りの道具をそろえなければいけませんね。
徐々にそろえていければと思います。

宗和流の茶会に行ってきました

ひょんなことから宗和流の茶会に行く機会がありました。
場所はトーハクの茶苑。
六窓庵が濃茶席、転合庵が薄茶席。
点心は三友居で美味しかったっす。
煮物椀がついているとやっぱ豪華に感じます。

宗和流というのは言わずとしれた金森宗和が流祖の流派です。
野々村仁清との関係でお茶の世界ではよく出てくる名前ですね。
こちらの流派の茶会には初めて伺いましたが、席主の方のお話も、お道具も素晴らしく大変良かったです。

六窓庵は宗和好の茶室だそうです。
奈良にあった茶室を移築したらしいのですが、茶室の運搬の途中で暴風雨に遭い船が転覆、部材は運良く岸に流れ着いた(ホントか?!)というものらしいです。
名前の通り窓が六つありまして、中柱が太いのが印象的でした。

濃茶席の掛物は宗和の消息。
茶入は仁清の茶入。とても華奢な感じで、耳が面白いです。牙蓋が取りづらいとお客様が仰っていましたが、私は触っておりませんのでよくわかりませんでした。
茶碗は大徳寺呉器。良い茶碗でした。大きさや景色、状態など素晴らしく、箱も良い箱に入っているなぁと思いました。古い箱を見せてくれるのはとても嬉しいです。
次の茶碗は伊羅保でこちらもホントに良い茶碗(そりゃそうだよと言われそうですが)。ベベラもしっかりとあって、風格のある茶碗でした。
建水は南蛮の〆切。じっくり見てみたかったです。

古い道具を席で使っていただけて、それで飲ませて頂けるということは本当に貴重な経験であります。
大徳寺呉器っていったら400年も前の茶碗ですからね。それを使ってお客さんに出してくれるってのはありがたいことです。
古い茶碗ってのはどうしても脆くなりやすいですし、大寄せの茶会ってのはどんな人が来るのか分からないですので、リスクは高いですよね。
もちろん値段もかなり高額になります。
釜は道仁の釜だそうで、ほぇ~という感じ。見る機会ないですよね、道仁の釜なんて。珍しいもの見せていただきました。
私は古い道具で雰囲気ある物は好きなのでこういった席に入れた事はラッキーでした。

さて、薄茶席は遠州好の転合庵。
こちらは12代(だったと思う)の画賛でした。歌が書かれていて、この時期らしい内容で濃茶席とはガラッと変わった感じ。
主茶碗は御本刷毛目。歪みが印象的でした。
数茶碗としてガラスの茶碗が出てきまして、仁清の三玄院の天目写ということでした。こういった珍しい写物を出してくる所が面白いですね。
一見ガラスには全く見えないですが、持ったらなんとなくガラスだとわかりました。
薄茶席には現代の方の造った物も取り入れて目新しさがあります。
煙草盆は宗和好で、なかなか他でお目にかかれないような形の物。やっぱり色んな流派の茶会に行ってみるもんだなと思います。

これから毎年茶会をしていこうと考えていますと仰っていましたので、もしまた機会があれば伺いたいです。
ありがとうございました。

千家十職展に行きました 9.11.2016

第一印象はクチャクチャに混んでました。
こんなにお茶に興味のある人っているの?!って思うくらいに。
茶道人口は減ったし、減り続けているとは言われますが、まだまだたくさんいるんですね(若い人は全然いませんでしたけど。。ボソッ)。
最終日近くの日曜日だったからかもしれませんが。

図録を買っていないので(高くて買えませんでした。。。そのうち古本屋で手に入らないだろうか)じっくり復習ができないのが残念ですが、長次郎の茶碗をたくさん見れたのが嬉しいです。ガラスにかじり付いて見ました(1碗あたり5秒ほどですが)。
形、大きさ、釉調、内側の様子、色なんかを注意して見たんですが、鑑賞って難しいですね。
これを初見で見た時に、これは長次郎だな!っと判る気はまだまだしません。目が肥えてないんですね。
でも、空気は感じられたのではないかと思います。

玄翁(個人蔵)という茶碗初めて見ました(黒茶碗です。赤は東博にあるようですね)。
仙叟の箱書は名碗が多いらしいですが、これは仙叟の箱書で、少庵が命名したという事が書いてあるとのこと。
少庵のゆかりの長次郎はとても珍しいそうです。外箱は直斎。
道安は道安黒とかいう言葉があるくらいなのに、少庵は珍しいんですね。あ、道安黒は常慶か。ややこしい。。。
銘がかっこいいです。東博にある赤茶碗はとても良いので他の茶碗は玄翁で割ってしまえって言う意味らしいですが、これもそういった意味が込められていてもおかしくない茶碗です。
江戸時代の銘って洒落てて面白いです。

あと、とても参考になったというか印象的だったのは、柄杓がたくさん飾られていたことです。
光線が多いと保存に良くないのでしょうか、すごく暗かったですけど、いろんな人の好みの柄杓が見れて嬉しかったです。
また機会があれば色々な茶人の好みの柄杓を見てみたいです。

やっぱ図録買っとけば良かったと。